糖尿病専門医、研修指導医の立場からオススメの知識のレベルアップ方法を紹介します。
数多くの糖尿病の診療に関わることは大切ですが、基本的なルール、原則を知ることでよりレベルアップのスピードが早くなります。
できるだけ様々な媒体から情報をインプットすること、それをこまめにアウトプットすることを提案いたします。
書籍
まずは書籍です。まとまっていて読みやすいものを選ぶといいと思います。オススメの書籍をいくつか紹介します。
日本糖尿病学会が作成した治療ガイド。900円(+税)という価格で必要十分な情報を網羅してくれています。圧倒的にコストパフォーマンスが高い1冊です。
・糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第7版(2014年,2017年に改定) http://www.shindan.co.jp/books/index.php?menu=10&cd=230200&kbn=1
日本糖尿病学会専門医取得を考えるなら必ず買って読んだ方が良い必携ガイドです。専門医資格取得だけに使うのはもったいないくらい各章の記述がまとまっています。
たくさんの研修医を指導されている先生が書いている書籍。専門医の考え方がよく分かる良書です。読みやすい文章なのがありがたいです。
・レジデントノート増刊 Vol.22 No.5 改訂版 糖尿病薬・インスリン治療 基本と使い分けUpdate〜新しい薬剤・デバイス・エビデンスも理解し、ベストな血糖管理を!
インスリンの基本的な使い方、経口血糖降下薬の基本的な使い方を知りたいならこの書籍がオススメです。実践的な本ならこれが良いと思います。
Web
2009年9月に開設された歴史も長く情報量も多いサイトです。コンテンツを章分けして記載してくれており使いやすいです。
日本糖尿病学会がPDFとして公開してくれているエビデンスの集積です。3年毎に改定されており、書籍での販売もされています。
当ブログです。今後役に立つサイトになればと思います。
また、
・YouTube Twitter Instagram
でも発信しています。各媒体に最適な形で情報をアウトプットします。
学会・研究会
私も所属している日本糖尿病学会です。1957年に設立された学会です。大きな学術集会としては、例年5月頃に行われる年次学術集会と、例年3月頃に行われる糖尿病学の進歩があります。学術集会は参加者が非常に多く、全国の高レベルの演者の講演が生で聞けます。
資格取得
専門的知識をもとに自ら診療、患者さんへの指導、かかりつけ医との連携で患者さんの診療や診療に関する助言を行う役割も担っています。また、市民公開講座、その他イベント、様々な媒体を通じて糖尿病に関する知識を広める活動も行っています。
日本糖尿病療養指導士は糖尿病治療における生活指導のエキスパートです。看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のうち、経験を有し、試験に合格した者に与えられます。
・看護師特定行為研修(血糖コントロールに係る薬剤投与関連 インスリンの投与量の調整)
医師からの指示を元に、看護師がインスリンの投与量の調整をするための研修(資格)です。糖尿病診療の知識をつけるのにぴったりの研修(資格)です。
・糖尿病薬物療法認定薬剤師・糖尿病薬物療法準認定薬剤師
糖尿病薬物療法のエキスパートの資格です。スキルアップ・キャリアアップ、患者様から認められる等メリットは多いです。
臨床
一般的な糖尿病の知識だけではなく、臨床現場でチームとして糖尿病診療に関わることでレベルアップにつながります。多職種が関わらなければいけない糖尿病という疾患では、それぞれのプロフェッショナルを活かした議論ができ、レベルアップしやすいと思います。全職種が活躍できるチームができればどんどんレベルが上がっていきます。特に患者様の状況によっては一般的な知識のみでは対応が難しくなることもあります。トラブルシューティングは各分野のエキスパートの右に出るものはいません。臨床は他の職種から学ぶ大きなチャンスです。
まとめ
様々な方法を見てきましたが、まずは自分に合った媒体から情報を得て(インプット)、誰か(患者様、先輩、後輩など)にその情報を分かりやすく教える(アウトプット)ことで自分の知識として定着させていくといいと思います。
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