簡単な質問に答えて自分が勃起不全かどうかチェックしませんか?
勃起に関して一人で悩んでいませんか
勃起に関して一人で悩んでいませんか。
”なんとかギリギリ勃つ”も勃起不全に入ります。
勃起不全はとても相談しにくい病気です。
勃起不全で悩んでいる人は多いのに、それを病院で相談できている人は少ないです。
あなたも困っていませんか。
勃起不全は病気なので、きちんと診断してもらい、科学的に根拠のある治療をすることで改善する場合があります。
今は軽くても、年齢や肥満や糖尿病などの病気の影響で勃起不全になったり進行したりすることもあります。
勃起不全だけ、糖尿病だけと思っていたら両方の病気があることも少なくないです。
知識をつけることで困ることを減らせるかもしれません。
勃起不全、こんな人はなりやすい
勃起不全の人はたくさんいます。
日本の男性40-70歳の人のうち、34.5%が勃起不全という調査結果があります。
びっくりするくらい多いです。
骨を折った、花粉症で困っているなどと違い、勃起不全は他の人に言いにくい病気です。
だから、周りにはいないように思ってしまうのですが、34.5%ということは、3人に1人以上です。
とても多いですよね。
自分は今のところ関係ないだろうという人も、どんな人がなりやすいのかは知っておいた方が良いです。
どんな人がなりやすいかのデータを見ていきましょう。
一番関連が強いのは、年齢です。
年齢とともに勃起不全になる人が増えていくので、今は大丈夫でも何年か後にはなるかもしれません。
糖尿病の方は勃起不全になりやすいです。
糖尿病の男の人の35〜90%の方が勃起不全であるという結果が出ています。
調査の対象や方法によって大きな差がありますが、90%となると糖尿病の男の人が10人いたら9人は勃起不全ということになります。
肥満の人もなりやすいです。
肥満に関連する病気はたくさんありますが、勃起不全とも関連しています。
運動不足も勃起不全の原因です。
運動が不足していると勃起不全になりやすいです。
心臓や血管の病気があると勃起不全になりやすいです。
血圧が高い人のも勃起不全になりやすいです。
タバコを吸っている人もなりやすいです。
タバコと糖尿病は悪魔のタッグを組んで体を攻撃してきますが、勃起不全にも関連しています。
うつ病の人は勃起不全になりやすいです。
また、逆に勃起不全があるとうつ病になりやすいです。
これらは一つだけでもなりますが、組み合わさるとよりなりやすいです。
年齢が高くて、糖尿病があって、肥満も高血圧も運動不足もあってタバコも吸っているなど、なりやすい条件が何個か組み合わさっている人はとてもなりやすいです。
このチャプターのまとめです。
高齢、糖尿病、肥満、運動不足、心臓の病気、高血圧、タバコ、うつ病などがあると勃起不全になりやすいです。
あなたは勃起不全かチェック
勃起不全かどうかを自分で簡単に調べるテストがあるので紹介します。
5問の質問に答えて、最後に点数を合計してください。
これはIIDF-5(International Index of Erectile Function)という 勃起機能の点数をつける国際的に行われている方法です。
1問目は自信があるかどうかの質問です。
この6ヶ月に勃起してそれを維持する自信はどの程度ありましたか
非常に低いなら1点
低いなら2点
中くらいなら3点
高いなら4点
非常に高いなら5点
です。
2問目は硬さの質問です。
この6ヶ月に,性的刺激によって勃起した時,どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか。
ほとんど,又は全くならなかったなら1点
たまになったなら2点、たまにというのは半分よりかなり低い頻度です。
時々なったなら3点、この時々というのはほぼ半分の頻度です。
しばしばなったなら4点、しばしばというのは半分よりかなり高い頻度です。
ほぼいつも,又はいつもなったなら5点です。
3問目は長持ちするかどうかの質問です。
この6ヶ月に,性交の際,挿入後にどれくらいの頻度で勃起を維持できましたか
ほとんど,又は全く維持できなかったなら1点。
たまに維持できたなら2点、これは半分よりかなり低い頻度です。
時々維持できたなら3点、これはほぼ半分の頻度です。
しばしば維持できたなら4点、これは半分よりかなり高い頻度です。
ほぼいつも,又はいつも維持できたなら5点です。
4問目は長持ちするのが大変だったかどうかの質問です。
この6ヶ月に,性交の際,性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか
極めて困難だったなら1点
とても困難だったなら2点
困難だったなら3点
やや困難だったなら4点
困難でなかったなら5点です。
最後の5問目です。
この6ヶ月に、性交を試みた時、どれくらいの頻度で性交に満足できましたか
ほとんど,又は全く満足できなかったなら1点
たまに満足できたなら2点、これは半分よりかなり低い頻度のことです。
時々満足できたなら3点、これはほぼ半分の頻度のことです。
しばしば満足できたなら4点、これは半分よりかなり高い頻度のことです。
ほぼいつも,又はいつも満足できたなら5点です。
5問それぞれに1点から5点をつけていただけましたか。
それを合計してみてください。
全部5点なら25点満点です。
逆に全部1点なら5点です。
5点から25点の間の数字ではない場合は全ての質問に答えていなかったり,足し算のミスをしたりしているかもしれませんのでやり直してみてください。
この5問の質問に答えるという勃起不全のチェックは国際的な方法ですので、医療機関でもこの数字を参考にします。
結果を見ていきましょう。
22-25点の方は正常です。
17-21点の方は軽度の勃起不全が疑われます。
12-16点の方は軽度〜中くらいの勃起不全が疑われます。
8〜11点の方は中くらいの勃起不全が疑われます。
5〜7点の方は重症の勃起不全が疑われます。
どうでしたでしょうか。
21点未満の方は、勃起不全の疑いがあります。
チェックして終わり、結局1人で悩むだけではもったいないです。
相談しにくい病気ですが、ぜひ一度医療機関で相談してみてください。
もう一つのチェックもしてみましょう。
これはとても簡単で1問だけです。
勃起の硬さの評価です。
あなたの硬さに近いのはどの食べ物でしょうか。
勃起した時の硬さです。
こんにゃく、みかん、グレープフルーツ、りんご、どれが自分の勃起した時の硬さに近いですか。
1つ目のこんにゃくを選ばれた方はグレード1です。
グレード1は陰茎は大きくなるが、硬くはないという状態です。
2つ目のみかんを選ばれた方はグレード2です。
グレード2は陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではないという状態です。
3つ目のグレープフルーツを選ばれた方はグレード3です。
グレード3は陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはないという状態です。
4つ目のりんごを選ばれた方はグレード4です。
グレード4は陰茎は完全に硬く、硬直しているという状態です。
結果を見てどうすれば良いでしょうか。
グレード4のリンゴは硬さの問題はありません。
グレード3のグレープフルーツは勃起不全の疑いがありますが挿入は可能です。
グレード2のみかんやグレード1のこんにゃくの場合は硬さが不十分で、勃起不全の疑いがあります。
今回使ったのは勃起硬さスケールというチェックの方法です。
アメリカで開発されたものを、東邦大学の永尾先生が日本語化してくれて、石井先生が監修され日本で馴染みの深い食べ物や果物を硬さの目安として示してくれています。
グレード1のこんにゃくやグレード2のみかんくらいの方や、グレード3のグレープフルーツくらいで困っている場合は医療機関で相談してみてください。
今回紹介した2つのチェック方法は自分で簡単にできる方法です。
勃起不全というのは、自分1人で悩んでしまうことが多く、せっかくの効果的な治療を受けずに我慢している人が多いと思い紹介しました。
気にしていなかった、諦めていたという人が現状を理解する助けになれば嬉しいです。
このチェックの結果だけですぐに治療しないといけないとはなりませんので、より詳しい診察や検査は医療機関で受けていただくのが良いです。
このチャプターのまとめです。
自分で勃起不全かどうかをチェックして、疑いがあるようなら医療機関で相談してください。
勃起不全の治療法は薬だけじゃない
勃起不全に対する治療法がありますので紹介します。
勃起不全は今回紹介したセルフチェックをして自分の状態が大体どのあたりなのかを知ることから始まります。
チェックした結果、勃起不全が疑われる場合は1人で悩まずに医療機関で相談してください。
といっても、どこで相談したら良いかも分からないですよね。
糖尿病の治療のためにどこかの病院に通院している方はまずそこで相談してみるのが良いと思います。
糖尿病と勃起不全は関係しています。
なので、糖尿病の人で勃起不全で悩む人は少なくありません。
糖尿病の診療をしていると時々勃起のことで困っているんだと教えてくれることがあります。
どこにも通院していないという方は泌尿器科という診療科で相談してみてください。
医療機関で相談することで、あなたに合った治療を受けることができます。
勃起不全の治療って何をするんでしょうか。
治療は厳密にいうと原因によって分かれていますが、今回は主に糖尿病の合併症の自律神経障害の一つとして勃起不全になった場合のお話をします。
勃起不全の治療としてまず思いつくのは薬でしょうか。
薬の中で一番有名なのはバイアグラという薬だと思います。
バイアグラは、勃起不全の治療で最も一般的に使われているグループの中の一つの商品名です。
バイアグラの主成分はシルデナフィルと言います。
他に、バルデナフィル、商品名レビトラとタダラフィル、商品名シアリスがあります。
これら3つの薬剤はどれもホスホジエステラーゼ5阻害薬というグループの薬で効果が出る仕組みはほぼ同じです。
医師が参考にしている勃起不全の診療ガイドラインにも、薬を使う場合はこの3剤の中からまず選ぶようになっています。
3つの薬は効果が出始める早さ、持続時間、飲むタイミングなどに違いがあるので、自分の使い方に合ったものを選ぶようになります。
勃起不全の治療は薬だけではありません。
勃起不全の診療ガイドラインにも、治療として”薬の前にまずは生活習慣の改善をする”と記載があります。
生活習慣といってもたくさんあるのでよく分からないですよね。
肥満の解消、運動量を増やす、タバコをやめる、この三つが特に大切です。
肥満があると勃起不全になりやすい、運動が少ないと勃起不全になりやすい、タバコを吸っていると勃起不全になりやすいというのをお伝えしました。
治療では逆にこれらを解消してしまえば良いのです。
肥満の解消に関しては別に”体重を減らす”という動画で詳しく解説していますのでそちらもご覧ください。
勃起不全という状態の方は、糖尿病の他の合併症もあることが多いです。
特に、自律神経障害と言って、自分の意識していないところで体の状態を一定に保つ機能が落ちていることが多いです。
自律神経がいたんでくると便秘、下痢、立ちくらみなどが起こります。
また心臓、血管に病気がある場合も多いです。
このように糖尿病と勃起不全が両方ある時には、他の病気がある可能性が高いのでそれを知らずに激しい運動を始めると危ないことがあります。
糖尿病と勃起不全の両方がある人が運動の治療を開始するときは、まず運動をして良いかどうかのチェックをお勧めします。
糖尿病の人の運動前のチェックに関しては別の動画で詳しく解説していますのでそちらもご覧ください。
勃起不全の治療は薬だけに頼るより、週3回くらいの運動を組み合わせた方が改善しやすいのがわかっています。
運動は、体力の維持、血糖管理にも役立ちます。
ぜひ組み合わせてください。
禁煙もしたほうが良いです。
禁煙すると勃起不全は改善することがあります。
タバコは、血管をいためてしまいます。
血管がいたんでくると勃起不全になったり悪化したりすることがあります。
禁煙は簡単ではないので、専門家と一緒に行うのがおすすめです。
禁煙の方法は別に詳しく解説しているので良かったらそちらもご覧ください。
このチャプターのまとめです。
勃起不全の治療は薬だけでなく、肥満の解消、運動、禁煙も組み合わせるのが良いです。
まとめ
高齢、糖尿病、肥満、運動不足、心臓の病気、高血圧、タバコ、うつ病などがあると勃起不全になりやすいです。
自分で勃起不全かどうかをチェックして、疑いがあるようなら医療機関で相談してください。
勃起不全の治療は薬だけでなく、肥満の解消、運動、禁煙も組み合わせるのが良いです。
診察室では聞きにくい内容だと思いまとめてお話ししました。
1人で勃起不全に悩んでいた方が、悪化を防いだり、治すための行動を始めるきっかけになれば嬉しいです。
YouTube動画紹介用PDF
印刷物でこの動画を紹介してくださる方はこちらのpdfをお使いください。
参考文献・参考書籍
【参考文献】
J Sex Med. 2009 May;6(5):1232-47.
J Sex Med. 2010 Jun;7(6):2201-08.
日本性機能学会雑誌:24(1)1~3,2009
ED診療ガイドライン 第3版 日本性機能学会/日本泌尿器科学会
【参考書籍】
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